本音を聞き出す
以前教えていたクラスの一つにとてもヘタなクラスがありました。
一人とても上手な子がいるんですが、ほかの子は全然話せない。まず声が出せないし、質問しても反応がない。とてもやりにくいクラスだったなぁと思います。
このときは徹底した音読練習が効果を上げました。
で、このクラスの声が出せない原因は何だったかというと、それは「日本人と話すのが怖い」ということだったようです。
クラスのパーティーに参加して、初めて本音を聞き出せたんですが、私はそれを聞いてショックを受けました。
私の学校には厳しい日本人の先生はいません。みんな優しい先生です。でも、日本人と話す怖さというのは、そういうものじゃないんですね。間違えても私は決して叱りません。学生もその点は理解しています。
でも、一口に間違いと言っても、いろいろなタイプがあります。助詞を間違えただけとか、まったく意味がわからない文とかです。
多少間違えても、言いたいことが伝わっていれば問題ないんですが、困るのは何を言いたいかわからないときです。
これは私の憶測ですが、言った本人は言葉が通じないこと自体に動揺するんですね。
キャッチボールに例えると相手に強いボールをぶつけてしまったとか、見当違いの方向へ投げてしまった状況です。
急いで謝らなきゃいけないと思っても、その言葉が出てこない。悪いことをしたのに謝ることができない、そんな怖さです。
だから、まずは私がどういう人間かをしっかり説明しておかなければいけなかったんだと思います。毎日5分、自分のことを話す時間をつくるといいでしょう。
私のプロフィールを配ってもいいかもしれません。いろいろなやり方で自己表現することが、会話の見本になると思います。