クラスで最初にすること
今日は久しぶりに6課のクラスに入りました。
まずは名前を一拍ずつ発音してもらって、発音指導。次に5W1Hを活用して会話をしてもらい、最後に問題1で聞き取り練習をしました。あと10分あれば問題2も行けたんですが、自己紹介を挟んだ分、時間が足りませんでした。
発音指導 10分
会話 30分
聴解 20分
これでちょうど1時間ですね。
聴解ではノートにきちんと書くようにひらがなのチェックもしました。
日本にいる学生からの悩み相談
今朝、私がベトナムで教えていた学生の一人から連絡がありました。
彼女はN4レベルまで私が教えて、今は日本でN3を習っています。
私からすれば、彼女はとても優秀で日本へ行ってもすぐに上手になるだろうと思っていました。
ところが、語学学習というのは、そう簡単に上達するものではありませんでした。
彼女は日本へ来て3ヶ月経っても、ベトナムにいた頃と比べて会話力が上がっていないと、私に相談してきました。
おそらく、それは彼女の思い込みで彼女の聴解力は格段に進歩しているし、考えを上手に伝えられるようになったと思います。
それでも、彼女の声はだんだんと嗚咽交じりになり、聞いていて切なくなりました。
私も長く外国で暮らしているので、その辛さはわかるつもりです。
直説法で教える日本語教師が必ずしもいろいろな国の言葉を話せるようになる必要はないと思いますが、それぞれの国の学習者の気持ちはきちんと向かい合って、聞いてあげてほしいと思いました。
準備したことを評価する
最近「学力の経済学」という本を読み始めました。この本の主な内容はインセンティブが学力にどのような影響を与えるのかという課題を扱っています。
前々から会話テストの評価について頭を悩ませていました。同僚の先生は学生を褒めて育てる方針で会話テストで厳しい点をつけることはありませんが、私が教えている学校では相対的にレベルが低く、N4になってもほとんど会話ができません。
例えば、学生の目の前に赤いペンを置いて「机の上に何がありますか」と聞くと、しばらく考えてから「ペンです」と答えます。次に赤いペンを取って代わりに青いペンを置くと、形容詞が言えないので「ペンです」としか答えられません。
そのため、これまでは会話テストで厳しく評価してきたのですが、考えてみれば準備そのものを評価したことはなかったなと気づきました。
学生の多くは会話テストは一発勝負で、そこだけクリアできればいいと考えています。合格する自信がない学生はわざと試験をサボって進級しようとします。
その対策をしない学校側にも大いに問題があるんですが、私の力で学力を伸ばす方法はまだまだたくさんあると気がつきました。
出席率やノートの取り方を評価に加えることが大切なんでしょうね。
うつ病の学生
私の学校ではベトナム人の先生が90%授業を受け持っていて、日本人は会話と聴解を教えています。
それで今日、ひさしぶりに入ったクラスで会話を教えたんですが、一人だけ様子がおかしい学生がいました。
呼ばれても返事をしないで、ずっと俯いているので担任のベトナム人の先生に聞いたところ「うつ病です」とのこと。
私はびっくりして「うつ病なのに、なんで日本へ行くの」と聞きましたが、理由が釈然としません。「親が決めたことだから」とか「保護者と連絡がとれない」とか、なんだかはぐらかされた感じです。
その学生はもともと勉強ができないので、4ヶ月毎日勉強しているのに、ひらがなが読める程度です。
どう考えても日本へ行く資格を満たしているとは思えないんですが、どこの学校が受け入れたのでしょうか。留学の書類もどこかよその学校が作っているようで、留学を思いとどまらせたいけど、それができません。